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一個人の感想殴り書き

井伊直弼はアメリカに屈し、私は小山さんに屈す~ふるあめりかに袖はぬらさじ~

博多公演が無事終わり、まもなく明治座公演が始まります。ふるあめりかに袖はぬらさじ。普通の若手俳優おたくをしているとなかなかお目にかかれないジャンルの作品なので、敷居の高さ等に二の足を踏んでる人がうっかり足を滑らせろ!!!!という願いを込めて書いていきます。休憩込み3時間15分の上演時間ですが、博多初日に1部終わった瞬間「え、もうそんな時間!?」っていうくらい体感時間一瞬ですぎてく面白さ。


あらすじ※公式サイト引用

時は幕末。開港間もない横浜・港崎遊郭
岩亀楼の三味線芸者・お園は、旧知の花魁・亀遊を看病していた。
お園のあたたかい励ましと、留学して医学を学ぶという夢を抱く通訳・藤吉の薬のおかげで、
亀遊はどうにか生色を取り戻す。

ところがある日のこと。久しぶりにつとめたお座敷に居合わせたアメリカ人・イルウスに、
亀遊は見初められてしまう。
岩亀楼の主人によって、法外な値段で身請けを決められた亀遊。
藤吉への恋が叶わぬことを儚んだ彼女は、自らの手でその命を絶った。

数日後、亀遊の死の真相を偽って伝える出所不明の瓦版が現れた。
そこには、紅毛碧眼に身を汚されることを潔しとせず、
懐剣で喉を突いた本那婦女列伝に記されるべき烈婦と書かれており、
「露をだに いとふ倭やまとの女郎花おみなえし ふるあめりかに 袖はぬらさじ」
という辞世の句までが添えられていた。

こんな嘘――と笑うお園に、商売上手な岩亀楼の主人は、客が喜ぶ話をするよう命じる。
やむなくお園は、亀遊の悲劇的な話を客たちに語り聞かせ始めた。
結果、「攘夷女郎」としてまつりあげられることとなった亀遊。
岩亀楼は攘夷派の志士たちの聖地となり、お園のお座敷には客が連日押し寄せることに。
亀遊の死を最初に見つけた生き証人として、
一躍花形芸者になるお園だったが……。

1.喜劇か、悲劇か───。

公式サイト冒頭にも書かれているこの言葉。あらすじを観る限りは悲劇のウエイトが強そうに感じられますが、実際問題あくまで私的には喜劇としてのウエイトが大きいような印象です。それだけ笑える要素が多く、普通にクスクスからケラケラまで何度も観ていて笑っていました。無知なおたくなので大地真央様といえばもう高貴な御方…というイメージだったんですが、追追調べてみると"日本最高のコメディエンヌ"と呼ばれているそうで。大地真央様自身はもちろん高貴な御方なんですけど、本当に御園さんを演じている時はコミカルなお芝居に何度観ても笑ってしまうんですよね。それでいて歌や踊り、所作には隙の全くない品の良さ。だからこそやはり御園さんのおちゃめで楽しい感じが映えて…カリスマはやはりカリスマ…。
早速話が脱線しましたがとにかく真央様の御園さん始め、ベテラン勢含め役者さん達によるコミカルなお芝居が本当に本当に面白い!笑う!話の本筋だけを見ると悲劇なのかもしれないし実際泣ける要素もあるんだけど、それがお芝居や音楽等でベストバランスの後味の良さを作り出していました。これ本当に脚本演出が匠の技*1。私自身冒頭の【喜劇か、悲劇か】という煽り文を観劇後に気付きまして、「悲劇か…?喜劇か…?」ってIQ2の自問自答を心の中でしていました、笑。きっとこれ、どっちに取るかはその人次第なんだろうなあ。



2.音楽が最高にキャッチー

音楽劇っていうのもなかなか触れる機会のないジャンルですが、この作品で言えばほぼほぼミュージカル風って認識で良いと思います。私はそもそも忍ミュの民だったんですが、音楽とお芝居の出し方(?)だけでいえばだいたい忍ミュです(?)
元宝塚の方も多数出演されている作品なので、聴いてるこっちの語彙力が行方不明になるくらい感動的上手さなんですよね。チケ代分を余裕でpayするクオリティ。特に唐人口の遊女の歌が上手いわコミカルだわでまじで大好きすぎます!よいよいよいのーやーっとな!観劇した友達にいつも誰推しか聞いてるんですけど、私は断然ピーチさん推しです。博多前楽でついに目線ばっこり貰ってめちゃめちゃわいた!!!!笑。


ほんとお美しい…。脱走する時の藤吉どん(演:矢崎広さん)との絡み毎回日替わりで面白いからみんな観て!
嗚呼またしても話が脱線してしまった。とにかく三味線の合奏や真央様ぴろし様の歌上手すぎだし曲調も本当にキャッチー。私多分前々から感じてたけど、宝塚現場行ったらもう抜け出せなくなる気がしてたの、今回で確信に変わったよね…*2。ほんと楽しい。


3.言葉は難しいけどなんとかなる

このような時代劇だと言葉が難しい…というのはあります。あらすじもめっちゃ漢字多いしね。言葉がわかればより楽しいのかもしれないし、数回観ればより理解できます。でも初見でも考えるな、感じろってかんじで、言葉が細かく分からなくても伝わるし、言葉の意味を考えているよりとにかく浴びろ!私が去年絶賛してたマクガワン・トリロジーは言葉も難解で台詞もめちゃめちゃ速くてまさにジェットコースター状態だったんですけどなんかよくわからんけどクソ楽しかったっていう感想で。コミカルなお芝居にキャッチーな音楽によって、本当に観やすいんですよね。むしろ繰り返し観たくなる。ほんと観劇にあたってこの辺りを構える必要はないと思います!


4.攘夷5人組がとにかくかっこかわいい

いけめん揃いの思誠塾の5人。1部の出番は開演10~15分くらいですが、まずそこで!歌うから!ここはほんとクソ真面目で笑い要素ないです。かっこいい。某舞台1部干しまくった()おたく、今回ちゃんと全部来たから。それくらいかっこいい。
そして次の出番は2部後半。ここは基本御園さんオンステージなんですけど、その周りにいる攘夷5人組がいちいちかっこいいわ面白いわで目が足りなくなっちゃう!特に(おたくが小山さんのおたくなので不可抗力)下手の年下3人組*3のお酌合戦ひたすらかわいいから観て。 あそこ絶対その場の空気読みながらやり合ってるので、いっつもニヤニヤして観ちゃう。飯塚さん(演:榊原徹士さん)ふぁいとって思っちゃう、笑。お酌以外でもそれぞれ個性的な反応が好きです。あと上手の山組*4も、とあるシーンで岡田さん(演:大沢健さん)の扇子が止まる瞬間めっちゃかわいくて好き。ほんとあそこ目が足りない。お酌したい。御園さんになりたい。


5.小山さんがずるすぎる!

博多初日、あまりにかっこよすぎてリアルに泣いた!笑。ほんとほんとかっこいいし役がずるすぎるんだって!正直キャスト出た時にそこまで名前上の方ではなかったし、錚々たる顔ぶれすぎるし、きっとそんなに美味しい役ではないんだろうな…って思ってたのに…。え、いいんですか?ってくらい良い役でした。たぶん推しが出てない状態で観て、どの役やってもらいたいですか?って聞かれたら小山さん一択です。
あんまり詳しいことはまだ明治座これからだから言えないけど、銀河で一番男前で曲者です。そしてそれを演じるにあたっての細かいお芝居が大好きすぎて一生観てたい。ほんとこういう役待ってた。最近かわいい系とかぽんこつ系(失礼)の役が多かっただけに、やっぱり私はこの感じの役やってる推し最強輝いてるなって思う。この振り幅の大きさを是非いろんな人に知ってもらいたいなって思いました。
あと最後のレビューは久々に日本刀振るんだけど、ここもかっこよすぎて初日泣いたし実はその後も何度も泣いたくらいかっこいい。はよ日本刀で殺陣やる舞台来い。




とにかく二の足を踏んでる人には、ぜひその足を前に進めて頂きたい!

みんなで依存性になろう(?)





余談
客層から何から普段とは全然違うので、正直観劇していてびっくりすること多いかもしれません。みんなめちゃめちゃマイペース。ぬいぐるみガーとか言ってる人がそのテンションで来ると発狂しかねないかもしれないです!笑。「郷に入っては郷に従え」くらいのゆるめのスタンスが良いと思います。あんまり気になっても慌てず騒がず喧嘩売らずSNS拡散せず、幕間でスタッフに一声かけるくらいにしましょうね。うちらはあくまで外様。

*1:別にどっかの舞台とかあっちの作品とかの悪口は言ってないよ、爪の垢煎じて飲めやとか思ってても言わないよ、笑

*2:前にるひまのカウコンだったはず、紫吹淳様の壁ドンに心の底からときめきすぎてから宝塚はまじでやべえって思っている

*3:初期嵐で言うところの風組。この例えで伝わる人いる?笑

*4:初期嵐の年上2人、だから伝わる人いるのかって